忘れてならない蝶番の重要性 日頃、何気なく開閉している扉。扉の最も重要な役目を果たしているが故に、忘れられてしまっている蝶番。もし蝶番がなければ扉は力を掛けた方へ倒れてしまいます。また、扉を吊り（宙に浮かして扉をはめ込むこと）扉の下端が床面をスラないようにして扉の開閉ができるのも蝶番の役目です。このように扉にとって蝶番は非常に大切なものだということがわかります。 良い建築物を創るには、良い設計と良い材料と良い施工技術が必要であると同様に、良い扉とは力学的に計算された蝶番で吊り込まれ、安全性・経済性を考えられた扉と言えます。 建築物のさまざまな箇所に設置される扉。施主様及び施工者においても扉自体のデザインや強度・外的安全性を重視し、扉の生命線といわれる蝶番は軽視されがちでした。 しかし、いつまでも快適な扉の開閉をしていただくために、扉の吊り込みに際し、取り付ける扉に対して蝶番の形状・構造・寸法・働く力等をしっかりチェックして選ぶ必要があります。 いくら完全なドア錠やドアチェックを使用しても、粗悪な蝶番で扉を吊り込んだのでは早く吊り下がりが起こり、開閉時の気に障るギッ、ギギーッという擦過音、ひどい場合は開閉が困難になりストレスの原因にもなります。高価なドアやドアチェックに故障を起こし、保全や取り替えのための大きな損失を払ってしまいます。 蝶番は決して間に合わせに使用するものではなく、扉に最良・最適な蝶番を選んで使用すれば、半永久的にその機能を発揮し、快適な生活環境を作り建造物の美観を高めると共に、建物の保全に役立ちます。